昨年2016年冬モデルのスマートフォン、ソニーのXperia XZやNexus 6Pなどに充電コネクタとして採用された「USB Type-C(読み:ユーエスビー・タイプ・シー)」。従来のマイクロUSBからUSB Type-Cに変わったことで、新しいスマートフォンを自動車でも充電できるようにUSB Type-Cのシガーソケット充電器(シガーソケット チャージャー)を購入した方も多いのではなでしょうか。
また最近ではスマートフォンに限らず、ノートパソコンや今年の2017年3月に発売された任天堂スイッチなどにも充電コネクタにUSB Type-C採用されています。実は世界的に充電コネクタがUSB Type-Cが標準化されるも予想されていたりもします。
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同じUSB Type-Cなのに充電できないトラブル
ところがこのUSB Type-Cの充電器。スマートフォンは充電できるのにノートパソコンや任天堂スイッチの充電できない場合があります。
コネクター形状は同じなのに不思議です。何故でしょう?
消費電力が大きいものには「PD規格」が必須
実はスマートフォンより消費電力の多いノートパソコンや任天堂スイッチの充電には「USB PD規格」に対応したUSB Type-Cの充電機が必須です。
USB PD規格 とは?
一般にスマートフォン用に販売されているUSB Type-Cの充電器は、USB PD規格には非対応で、電力は5V/3A 15Wとなっています。しかし「USB PD規格は最大20V/5Aの100W」まで給電が可能で、従来の5V/3A 15Wの給電に加え下記の4種類が仕様に加わりました。
従来のUSB Type-Cの給電仕様
- 5V/3A 15W
USB PD規格で加わったType-Cの給電仕様
- 12V/3A 36W
- 12V/5A 60W
- 20V/3A 60W
- 20V/5A 100W
ちなみにPD規格のPDとは「Power Delivery」の略で、接続された機器に応じて給電の電力が自動調整されます。仮に充電器が20V/5A 100Wであっても接続した機器が12V/3A 36Wや従来の5V/3A 15Wでも充電は可能です。
PD対応のUSB Type-Cシガーソケット充電器
PD規格対応で給電が12V/3A 36Wの「AUKEY カーチャージャー 36W USB Type-C Power Delivery搭載」であれば、MacBookといったUSB Type-Cのノートパソコンや任天堂スイッチも充電できます。
前述のように世界的にUSB Type-Cが今後は標準化されると予想されていますので、12V/5A 60W以上の規格のものが欲しいのも人情かもしれません。しかし、12V/5A 60W以上の充電機となると、パソコン用モニタや他複数のデバイスを繋げて使用するかなり大きな電力の使用を想定し、従来のACアダプターのように卓上用や据え置き型のものになります。
さすがに自動車の中でモニタや複数のデバイスを繋げるようなパソコンでの作業は、もはや事務室車のレベルになります。それ以上の電力が必要な場合はシガーソケットではなく家電製品を自動車で使うためのカーインバーターの使用をおすすめします。
PD規格のシガーソケット充電器を使う注意点
最後にPD規格の自動車でUSB充電器を使う注意点を2つ。
一部の機器では充電機の出力が不足することがある
最近のアップル社のノートパソコンは昨年2016年10月発売されたMacBook Proをはじめ、今月6月に発売されたMacBookと立て続けに12V/3A 36Wでの充電が可能となっているいます。またWindowsのノートPCでも12V/3A 36Wで充電ができる機種がネットで多数報告されていることから、今後のノートパソコンやUSB Type-C充電する機器は12V/3A 36Wの充電で落ち着くかもしれません。
ただしPD規格はまだ普及し始めたばかりです。ノートパソコンなどの機器をUSB Type-Cで充電する場合は、12V/3A 36Wの給電での充電器で充電できるかをパソコンメーカーや機器の製造元に問い合わせてみるとよいでしょう。
もし今お使いのノートパソコンが12V/3A 36Wで充電できない場合は、従来どおりDC/ACインバーターを経由させて純正のACアダプターに接続する方法も検討してみてください。
※備考:シガーソケットでAC100VのコンセントとUSBが接続できるDC/ACインバーターの記事はコチラ
充電ケーブルは「PD対応ケーブル」が安心
PD規格は充電機側と接続されたスマートフォンやノートパソコンなどの機器と通信を行い給電する電力を細かく調整しています。これを「USB PDのネゴシエーション(認証)」といいます。このネゴシエーションが給電する側の充電機と、給電を受けるノートパソコンなどの機器との通信が正常に行われないと、規定のの電力が給電されずに充電できないことがあります。
USB Type-C登場当初は、PD規格がまだなく対応以前の初期のものや、スマートフォンでは急速充電用といった様々なタイプが登場しました。ノートパソコンやスマートフォンなどの機器に購入時に付属するケーブルであれば問題ありませんが、自宅での利用とは別に自動車用に買い増しする場合は、どんな機器をUSB Type-Cで充電するかわかりません。自動車のグローブボックスにUSB Type-Cケーブルを一本入れておくなら「PD対応ケーブル」ですと安心です。